昨年あたりから新型コロナウイルス感染症の拡大により、外出自粛が余儀なくされ、巣ごもり消費が続いています。
それにより、ネット通販が大きく伸び、2021年は13兆3092億円で前年比11.5%増、2022年には14兆6813億円まで拡大すると予測しています。(富士経済「通販・e-コマースビジネスの実態と今後 2021」より)
ネット通販最大手のアマゾンジャパン(東京・目黒)の売上高が19年度比25.2%増の2兆1848億円となり、初めて2兆円を突破したそうです。(日本経済新聞社2020年度の小売業調査)
商品を取り扱う企業にとってネット販売が当たり前のような時代です。とくに小規模企業や個人事業主にとっては、アマゾンのようなサイバー商店街であれば、集客力がアップし、宣伝費や決済や発送、ウェブサイトの運営費も抑えられます。
しかしデメリットもあり、競合商品や偽物もどんどん増え続け、売上に影響してくる企業も増えています。
消費者からの信頼や購買喚起も下げてしまうことに、アマゾン側も対応し始めたのが「amazonブランド登録」です。
amazon ブランド登録とメリット
amazonブランド登録とは、自社ブランドをアマゾンに正式登録することであり、自社のブランドを模倣から守り、様々なサービスでブランド認知をアップさせることができます。
【5つのメリット】
1.自社ブランドを模倣から守る
権利侵害が疑われるコンテンツや不正確なコンテンツを事前に削除する自動プロテクション機能があり、自社ブランドを模倣からまもることができます。また独自の強力な検索ツールで、違反の疑いを見つけて報告できます。
2.顧客からの信頼度アップ
ブランドの商品出品情報を管理して、購入者が正確な情報を確認できます。
3.アマゾン内に自社ページを構築できる
アマゾン内に自社ブランドのページをもつことができます。それによりブランド訴求アップします。
4.スポンサーブランド広告
ページの目立つ位置にブランドロゴと編集可能な見出し、商品を3点まで掲載できる広告を表示でき、ブランド認知度アップにつながります。
5.マーケティング
検索キーワード、購入者の行動データレポートなどで購入者マーケティングができます。
Amazonブランド登録の資格要件
ブランド登録のページ通りにアカウントを作成し、ブランドを登録すればよいのですが、
それには資格要件として
そのブランドを商標登録していること
になります。
商標登録は時間もお金もかかりますが、商標登録しておけば、それは国が認めた半永久的に独占的に使用できる権利ですから、他のネット販売でもリアル店舗においての販売展開でも、模倣者からそのブランド名を保護することができます。もし、侵害されることがあれば、販売禁止など法的措置をとることも可能です。
※ブログ「商標権の効力」https://www.ip-plus.jp/blog16/
今は情報があふれ、すぐ似たような商品が登場し、価格競争となり、商品寿命も短くなりますので、自社ならではの商品を展開されている場合、商標権を上手に活用し、模倣者を牽制しながら、自社商品のブランド構築をしていくことはとても重要です。
商標出願から登録
商品名やロゴを特許庁に出願し、審査を通じて登録となります。
直接、出願もできますし、特許事務所(弁理士)に出願から登録まで代理で委託することもできます。
ただ、商標出願は他社(者)の商標を侵害しないように、事前に調査し、登録要件を満たさなくてはなりません。
1.自己と他人の商品・役務(サービス)とを区別することができる=識別力
※ブログ 「商標の識別力」 https://www.ip-plus.jp/blog24/
2.公共の機関の標章と紛らわしい等公益性に反しない
3.他人の登録商標や周知・著名商標等と紛らわしくない
特許庁のサイトに、「出願しても登録にならない商標」についての記載があります。
https://www.jpo.go.jp/system/trademark/shutugan/tetuzuki/mitoroku.html
ビジネス上の強い味方となる商標登録はぜひおすすめします。しかし出願から登録までは、上記のように、専門的知識を要する場合がありますので、その労力をご検討の上、専門家に依頼した方がよいかどうかお考えになってみてください。